瀬戸内は小豆島よりOH依頼で送られて来たボ-ンストック '55 FLの E/g。
圧縮が落ちてオ-ナ-が分解した所ピストンは何と純正 std のままと云う。
細かな修理跡はみられるが基本的にボルトナット類は当時のままで素晴らしい状態。
検証した所、油圧低下でピニオンシャフトがやられシリンダ-内壁には折れたオイルリングによる深いキズ。確かに走行は少なく恐らく展示用として数十年経過した模様なので興味深い検証の報告です。
55年は大戦後ハ-レ-社が最も力を注いだ1 year only のE/gで随所に実験的な試みが大胆に施され黄金時代の幕開けを予感させています。
初めてのFLH パワ-upバ-ジョンのスタ-トとして知られていますがヘッドは手作業によるインテ-クポ-ト研摩でバルブガイド周りも大きくカット。
しかしながらバルブそのものは前期型を引きずり排気バルブステムにはキャップを被る旧態依然のままで開発の時間に限りが有った事が伺えます。
どのみち現代の耐熱度が高いステンレスバルブを使用するので問題にはなりません。
バルブスプリングは案の定 熱で張力ダウンしているので純正Shovel用とインナ-スプリングはこのFL用を使います。FLインナ-はShovelより長くてダンパ-効果に優れた組み合わせにレベルUPします。(耐久性向上)
通常はブラストを掛けクラックチェックするのですがこれ程永く生き延びている事に敬意を表して薬品による高温洗浄で外観を保ちさせます。
錆びは当然有るもののシリンダ-も素晴らしい雰囲気に満ちています。
ピニオンシャフトはJIM'Sに交換ですがそれ以外はオ-バ-サイズB/gでいけます。
フライホィ-ル、新型B/gのスプロケットシャフトも55年専用で如何に設計技師が心血注いだかを思うと感動に値します。今迄 4基の '55クランクを手掛けましたが惜しむらくはクランクバランスがまだ確立されていなかった為フライホィ-ル片側ずつの回転バランスだけです。しかし組み立てラインで検査OKのマ-カ-が鮮やかにコンロッド含め一直線に引かれているのは見事です。ハ-レ-社が総力上げて取り組んだ様子がクランク設計に現れているのでタンクエンブレムの Vヴィクトリ-が改めて納得出来ます。
前年に登場した4本リブのカムカバ-は強度upと形状マイナ-チェンジで新登場。
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